ある6:長い坂をゆっくりと~私の願い


認知症生活を支えた3つのこと

あれこれ思い悩み勉強しながら母の認知症見守り生活はスタートしました。

「長い坂を出来るだけゆっくりと下るようにしたい」が私の一番の願いでした。

母の生活を支えた大きな事として3つがあります。

  1. 介護認定を受けて介護サービスを導入
  2. 糖尿病改善
  3. 親戚との変わらぬ交流

 


1.四苦八苦の介護認定とサービス導入

見守りがスタートした時点で一番困っていたのは母の入浴でした。

放っておくと10日ぐらい入浴しない期間もあったので、訪問介護でヘルパーさんに入浴介助を頼みたいと思い介護認定を受ける事にしました。

母が介護認定を拒絶する事は充分予測できたので、市役所の方に事前にお願いして認定の面談は「高齢者の健康調査」と言って行いました。

かかりつけの医師にも介護認定を受ける旨を伝えておき、結果、要介護1の認定が下りました。

ケアマネジャーさんと相談していよいよ介護サービスがスタートしました。

 

 


週に一度の入浴介助

「お風呂なんか自分で入れるわよ!」と拒絶反応丸出しの母を上手く対応してくれるヘルパーさんが見つかり、徐々に入浴も慣れて行きました。

ヘルパーさんが父の話し相手にもなって下さり、とても良い関係を築いて下さいました。

 

 


◎週に2回の体操教室

その頃は持病の糖尿病が悪化していましたので、体操のみに特化した半日の体操教室へ週に2回通う事にしました。

ただし、送迎バスは近所に知られるから不要だと言い張ったので、父が送り迎えをすることにしました。とにかく行かせるためには必死です(涙)

最初は行くのを渋りましたが、「医者からの指示だよ」とオーバーに言ってなんとか行かせました。

しばらくすると楽しさや達成感が出て来たようで、休まず通うようになりました。


2.糖尿病は認知症の敵

かかりつけの医師が言うには糖尿病に罹患している人は認知症になりやすい傾向とのこと。糖尿病がこのまま改善されなければ教育入院だと言われていました。

とにかく万病のもとである糖尿病を改善すべく、体操に通う事と食事改善を行いました。

その頃、料理が得意な父のお陰で食事の不便はありませんでしたが、カロリーコントロールまではなかなか難しいので、母にはカロリー制限食を宅配で取寄せて出すことにしました。

そのお陰で次第に血糖値も落ち着いて来て、医師には「合格点だね」と言われるようになりました。



3.親戚にはカミングアウトせず

母の兄妹夫婦とは仲が良く、日本全国、四季折々、海外も皆で行きました。そんな仲の良い親戚に母の認知症を言うべきか、言わざるべきか大変に悩みました。

知らせてないが為に、一緒に出掛けた先で何かアクシデントがあったら・・・という心配もありました。

母は「親戚には言わないで欲しい」と。

どんな心境でこの言葉を言ったのか・・・考えると辛くなります。

医師に相談したところ、「いつもお父さんが一緒に行動するなら言わなくても良いのでは。ご本人が言わないで欲しいならそうしましょう。」との答えでした。

私は親戚の皆には心苦しく思いましたが、何も言わずにこのまま過ごそうと決めました。

母の行動がおかしいと感じても温かく見守ってくれるだろうと、私は心で願っていました。