ある10:残りの人生を東京で~近くで見守る


東京生活スタート

引越しも無事に終わり、いよいよ東京での生活がスタートしました。

東京での住まいは私の自宅から自転車で10分の距離にある賃貸マンションです。私の絶対条件として、例え30分掛かっても私の自宅と歩いて往来が出来る距離、かつ元気な父が便利に生活出来る場所という事でした。

当然家賃も高くなり、部屋はその分狭くなりましたが「老人ホームの2人部屋だと思えばね」と考える事にしました。

東京でお世話になる介護事業者へは事前に連絡をしておいたので、担当のケアマネジャーさんが引越し当日に訪問して下さいました。

そのお陰で、母は引越しの翌々日にはデイサービスと体操デイに通う事が出来ました。この対応の早さには本当に有難く思いました。


心配だった2つの事

何よりも私が一番心配したことは、母が以前の家に「帰りたい」と言い出すのではという事でした。引越し前に現れた母の認知症状により、これは東京に来た後にも何か起こるかもしれないと不安でした。

幸いにも「帰りたい」と言い出す事はありませんでしたが、しばらく私はこの不安から気が抜けませんでした。

今では有難いことに、しっかりしている時には「あなたの近くに来て良かったわ」と言ってくれるので、私の選択は間違ってなかったかな?と思っています。

もう一つの心配事としては父の事です。

介護のシステムに乗った母はひとまず安心ですが、慣れない東京生活で父が認知症になってしまっては~という恐怖が当然にありました。

兄は「お父さんは大丈夫だ」と言っていましたが、やっぱり心配でした。

そこで、父を徒歩5分の場所にあるスポーツジムに入会させ、お風呂代わりでも良いから毎日出掛けるようにしました。

好きな図書館も歩いて行ける距離にあるので、足が丈夫な父には良かったです。

もともとドライな性格が新しい土地でもやって行ける理由でしょうか?

 

 



大小アクシデントありながら~元気に生活

2021年4月の現在、呼び寄せから3年が経過しようとしています。

父は86才、母は83才になりました。

引越し後は大小アクシデントもありました。

半年後の10月に、母が尻もちで座骨にヒビが入ってしまい一ヶ月ほど不自由な生活になりました。また、新しく通い始めた近所の中核病院が一時休診してしまうという苦労もありました。その度に一喜一憂しましたが、お陰様で両親は元気に生活しております。

母は今でも時々自分が東京に来たことを忘れて「ここどこだったかしら?」と言ったりしますが、自分の住んでいるマンションの外観は覚えました。

デイサービスと体操デイに通う事が母の達成感を満たしているようで、文句を言いながらも毎朝元気に出掛けて行きます。

父は近所に2件あるスーパーを使い分けをしているようです。ジムを中心に顔見知りも出来たようで、ドライな父らしく淡々と東京生活に馴染んでいます。

 

呼び寄せして良かったかどうなのかは正直まだわかりません。

東京で元気に生活しているとは言え、やはり高齢の2人には負担は大きかったからです。私の自己満足だったのかと考えてしまう時もありました。

ただ、やっぱりすぐに顔を見に行ける距離は嬉しいです!

 

今後も「あるある」エピソードがありましたら、順次アップさせて頂きます。