ある7:診断から8年後の曲がり角~突然の圧迫骨折


衰えを実感するきっかけは圧迫骨折

認知症の診断から8年間は、色々と小さなアクシデントがありながらも穏やかな日々を過ごす事が出来ました。時間を共有する事が多かった親戚は母の変化を感じながらも、何も言わずに温かく見守ってくれたので感謝しかありません。

2017年5月 母は79才の時に背骨を圧迫骨折しました。

転倒した訳でもないのに突然背中が痛いと言い出し、まさかの圧迫骨折でした。

幸いにも入院することなく3ヶ月で無事に回復しましたが、認知症は今までより進み、足の衰えも実感する大きな出来事となりました。



父の自動車運転問題と古い一軒家

この頃、高齢者の自動車運転事故が大きな問題となっており、我が家もその問題に直面しておりました。

名古屋市の郊外にある実家は急な坂の上にあり、車がないと病院にも行かれない地方にはありがちな状態でした。

また、実家は築40年の一軒家のためこのままここに住むのであれば、何かしらのリフォームは必要でした。

母の面倒を見ている父が今は元気でも、この先何かあったらどうやって生活して行くのか・・・とても気掛かりでした。



昔の母を垣間見て・・・

2018年1月、何年かぶりに東京の我が家へ母を連れてきました。

認知症になる以前と同様に、東京で過ごす母はとても楽しそうにしていました。

そんな姿はしっかりしていた頃の母を垣間見るようで、私は嬉しくなりました。

母は認知症になる前に、実家を処分して東京へ引っ越したいという希望を持っており、我が家の近くで家を探したり実家の荷物を随分と片付けてもいました。

その後、東京転居は立ち消えになってしまいましたが、母の心の中には東京への思いがずっと残っていたようです。

そしてこの時に再び「あなたの近くにどこか住むところがないかしら?」と言った母の言葉が私の心に残りました。

今から何とかならないか・・・?そう思い始めたきっかけでした。