ある2:認知症と診断された時のこと


先生が仏様に見えた・・・

平成21年12月、認知症の検査結果を聞きに大学病院へ。

ただの加齢であって欲しいという期待もありましたが、おそらく認知症なんだろう・・・という気持ち。

 

やはり、診察の結果は初期の認知症でした。

内心、がっくりとうなだれる私・・・しかし!先生は母に対してやさしく微笑みながらこう言いました。「そうですね~やっぱり年齢のせいもあるし、ちょっと物忘れがあるかもしれませんね~」と。

そして、「大丈夫ですよ、お薬もありますからね~」と。

その瞬間、私は先生が仏様に見えました!この「大丈夫ですよ~」という一言が、重かった私の心をどれだけ軽くしてくれたか~(泣)

母は良い先生に出会えたと心から感謝しています。


しかし・・・不安と悲しみは次々と

先生のやさしい言葉のおかげで、母は大してショックを受けずに済みました。

そもそも、この時、母は自分の状況をどのように理解していたのか?

多分、自分は認知症だという事を認めていなかったと思います。

しかし、仏様効果もつかの間、私はこれ以後どんどん不安と悲しみのスパイラルに落ちてしまいます。この時期が本当につらかった。今思い出してもうるうると・・・。

いくつか読んだ認知症の本には、「徘徊」「不潔行為」「幻覚」などの記載ばかりで、その時の私はお先真っ暗な状態でした。

現実を知ることも大切ですが、それを受け入れるには・・・。



夕方は要注意

この頃の母は、物忘れの他に、夕方になると頭が痛いとよく言っていました。外が暗くなり始めると「頭が重くなり、ズーンとするのよ」と。

それから私、バカになっちゃったかも」という事も言っていました。

以前のようにすっきりといろんな事が考えられなくなり、頭の中がもやもやしている感じだったのでしょうか?

母自身も自分の変化を感じていたので、鬱に似た症状だったかもしれません。